エンプティ・チェア◇しぶとい奴

数日前にやったエンプティ・チェアを今度は姉を対象にしてやることにした。

外国にいるし、会うこともなくなっているが、わたしには重苦しい不自由さを感じさせる存在として気になり続けてきた。 
 
前回も触れたけれど、エンプティ・チェアの概要をちょっと書くと、

ある元型の形に心が囚われるとき、脳の中でもそのパターンが刷り込まれて、思考の柔軟性が失われてしまう。

例えば、詰問者と傍観者のパターンとか、抑圧者と被害者のパターンとか、傷ついた人と看護者のパターンとか。

ブロックされた思考が自由さを封じてしまい、被害者はやりたくなくても被害者のパターンを繰り返してしまうのだ。

柔軟性を取り戻すために行うエンプティ・チェアは、自分と相手の2人の席を用意する。

そして2つの交互に座りながら、自分(内なる子ども)としては反対側の空の席に相手がいるのを想像しながら言いたいことを言っていく。

さらに相手の席に座るときには、自分の中に住み続けていた相手に言い分を言わせる。

自分の中に住み続けていた相手の言い分は、自分の潜在意識に知らない内に収納された相手の印象などの情報から来るのかも知れない。

言えずにいたことを言っていくことによって起こってくるのは「情報の非対称性」をなくすことらしい。

つまり「解決を目的としたケンカ」を自分ひとりの中で行うのだ。

情報が流動せずに相手側・自分側とに分離してフリーズしていた思考がそれによって解凍される。

抑圧者と被害者に分離したパターンが打破されるというプロセスになっている。
 
 
わたしの場合、姉との関係の中で傷つけられた思いがあった。

それでも慕っている部分があったので、あまり反発しなかったことが性癖のようになったのではと思う。

大人になるに従い、関係性がシビアになってきて我慢ならなくなってきたが、それでも長いこと反発ができなかった。

あまりにも苦痛で、一度「わが家に来ないでほしい」と伝えたことはある。

今は交流をもたないようにしているわけだけれども、脳の中に焼きついているパターンは、その後も心を不自由にしていた。

インナーチャイルド・ワークでも対象にしていたけれども、長年の積み重ねとなってきた負荷をさらに解放していく必要があると感じた。
 
 
それで今回、エンプティ・チェアで解放していくのだ。

最初に「姉用の席」「自分のインナーチャイルドの席」を用意し、インナーチャイルドとして、今まで言えなかった文句を言って、謝ることを要求した。

しかし、しばらくの何交代かの間は、姉の席に座ったわたしの口からはその文句に対して「そんなの知らないよ。面倒くさい。うっとうしい」ばかりだった。

自分の中に住み続けてきた姉のその言葉を口にしながら、今回は本当に決着するのだろうかと思った。

前回の母親に比べて、おそろしくしぶとい。

さらに何交代か続けていくうちに、彼女が弱いからそのままの状況を受け入れられず、コントロールしようとして嘘をつくのではないかとふと思いついて「二枚舌が弱さが原因と認める勇気もないのか」と言ってみた。

(以下、姉の言葉をメインに書いていて、間のわたしの方からの言いたい内容はほぼ繰り返しなので省いている。)

すると「二枚舌は完全な強さではないだろうけど。あんたにそんなことを言われる筋合いはない。わたしは姉なんだからね。暴露すればいいと思っているのか」とむかついていた辺りから状況が少しずつ変わってきた。

「わたしが好きでそんなことをしていたと思っているのか。わたしがどれほど大変だったか知らないくせに。わたしが一番(両親の不和から)迷惑を被ったんから勘違いするな。わたしが生き方を一番知っている。あんたなんか後で生まれてきただけだろうが」

「バカでプライドがないあんたなんかにわたしの気持ちは分からない。。わたしが一人で頑張っていた。みんながわたしに迷惑をかけた。バカなあんたたちをわたしが騙すのは当たり前」

わたしの方からは、みんなが偽りのペルソナ(優等生や道化、ナースなど)をつけてお互いに騙していたこと、みんながその体験を経験して大変な目にあっていたこと、みんなをコントロールしても結局何にもなっていないこと、二枚舌についてみんなは気づいていることなどを言って再度謝罪を要求していった。

「わたしは家ででも、今の環境でも大変なんだから。わたしはそれで上手くやっているんだから」

「・・・なんでこんなやり方を続けたんだろう。もうやっていられない。・・・Uターンできるだろうか・・・どうすればいいか分からない・・・」

と内省的なつぶやきになって何かが崩壊し始めたような言葉が連なっていった。

それでわたしの方からは、今日の目的は謝罪してもらうことなんだから、勇気をもった謝ってくれると嬉しい、お互いに次のステップに進めるかも知れないしと伝えた。

「そうかも知れない。わたしの中では自分が一番大変だったと思っているから、それのしわ寄せが周りに行っただけと思っているけど。あんたたちが大変さを経験してきたっていうのは本当かなという気はしている。わたしほど大変だっただろうかって・・・その大変さを吐き出す権利はわたしに一番あるだろう」

「その吐き出したもので踏みつけられたのが一番大変だったって・・・そう・・・そんなことになるのかも知れないけど・・・わたしはわたしで大変だっただけ・・・一番大変だったことを吐き出すのは当たり前で、吐き出された人の気持ちは思わなかった・・・あんた気楽そうにしてたし、わたしほど大変とは思わなかった・・・よく分からないけど・・・」

「何も気遣わずに吐き出してたから、それはひょっとしたらひどいことだったのかも知れない。考えてなかった・・・」

「辛い思いさせてごめんね。失敗したね。視点が変わったような気がする」

ついにわたしの中に住み続けていた姉が謝罪を口にした。

わたしの方からは、わたしたちそれぞれの小さい宇宙が変わっていくんじゃないかな、お互いに大変だったね、ありがとう、と伝えて今回のエンプティ・チェアは終わった。

今回はワーク部分だけで1時間半以上かかったが、どうにか終わった。

大変な思いを表現できなかったインナーチャイルドのフリーズした時間が動き出した。

2018-06-06 | Posted in インナーチャイルド, エンプティ・チェアComments Closed 

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