金の溶け込んだ液体☆アルマガムの錬金術
前回の錬金術のブログに引き続きということで。
錬金術の記述で『鉛』や『水銀』のワードが出てくる。
人間が精妙になっていく錬金術について知りたかったので、以前はこれらの言葉をほとんど気にしていなかった。
『何かの象徴かな』くらいに思っていた。
確かにそういうところもあると思う。
でも錬金術の祖ヘルメスの言葉には「下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし」がある。
物質の精錬も人間の精錬も同じ道理に従っているかも知れない。
じゃあ、物質的金の精錬を知り、タロットや霊的精錬のヒントにしたい。
(錬金術の道具と見ることもできるフラスコとスプーン:『LE MAT』)
前回は日本でも昔から行われていた『灰吹法』での金の精錬の工程を見てみた。
西洋で行われていた他の方法も調べてみよう。
水銀を利用した『アマルガム法』という精錬方法があるようだ。
この方法は『水銀流し』の名で日本でも行われていたらしい。
アマルガムとは、水銀と他の金属との合金全般を示す名前だ。
アマルガム法をみてみよう。
・金鉱石を細かく粉砕する
・水の中で砂礫と重い金属を分離する
・残ったものに水銀を加えて金の溶けたアルマガムを作る
(金は水銀に溶ける性質がある)
・骨灰にのせて不純物をろ過・洗浄する
(アルマガムは表面張力が大きいため上に残る)
・アマルガムを加熱し水銀のみを蒸発させる
(360℃で水銀は気化、金は固体のまま)
・最後に器に残った金を加熱して一まとめにする
灰吹法の工程では最後に鉛を融解させるが、アマルガム法は最後に水銀を気化させる。
気化した水銀を回収する設備が整ったところで行う必要がある。
水銀は毒性があり、蓄積されて深刻な中毒症状を起すからだ。
ここで行いたいのはタロットにも見られる人間の精妙化という精錬との照応。
次はカードと照らし合わせてみようと思う。










